ばーちゃん、むむむのあららになる。586
一人でお見舞い。
顔を見るなり、
「あたし、騙された!」
「???」
「昨日一人で出かけてな、ふねに乗ってん。お金ないし、正直にお金待ってませんて言ってん。そしたらな、聞いてますからいいねんて言われた。で、帰って来てん。騙されて乗ったけど、あんたに迷惑かけたなあ。」
「???」
「部屋中蛇が来てな。ほら、まだそこにおるわ。」
「ばーちゃん、あれ、カーテンレールやないの?」
「違うて!腹見せているやんか!わからんか?」
「・・そうか、じゃ、降りてきたら掴んでほかしてやるわ!」
「よかった。あそこの天井に仮面かぶったおじいがこっち見てる。いややわ。」
「・・ほんまあ。おじさん、あっちいって下さいよ。」
手を振って追い払ったふりをした。
「ええ工事してはるで。建物ごと持ち上がってん。」
「ベットが上がったんやない?」
「違う、建物があがったんやて 怒」
「・・ほんま、いい工事してはったんやね。」
「ほんまになあ。」
「あそこから人が見てはるねん。」
常夜灯のカバーに映ってるものがそう見えてるみたい。
「ほら、あたしの息子やら孫が覗いてる。」
「・・心配してみてるんかなあ。」
「そうかもなあ。」
「天井に色々 ビデオ? みたいなやつで映してくれてるみたい。」
「・・よかったなあ、寂しくないもんな。」
「ほんまや。死んだ友達が昨日来てな、一緒に出掛けたんやけど。まだ、もう少し迎えに来んといてって言ったら帰りよってん。」
「・・おばちゃん、何か言ってた?」
「死んだ人は喋らんよ。」
ここはしっかりしてる (笑)
一時間位、手をさすりながら話を聞いてた。
こっちが混乱する・・・・
帰りの車で何か泣けてきた。
ばーちゃんは、ばーちゃんの世界で生きてる。
怖い目、痛い目にあわなければいいけどさ。
こんなせん妄は本人にとってどうなんだろうね。
昨日今日は普通の認知に戻ってて一安心。
普通の認知ってのも変やけどね。
ひょおおおおん↓