今週のお題「ちょっとコワい話」 11
今週のお題「ちょっとコワい話」
2006年08月30日(水)
今日は岩屋寺へ。 ここは、大石内蔵助、浅野内匠頭、四十七士を祀ってある寺です。 昨日の大石神社から南へ五分ほど。 道から右手に上がると、坂がありその坂の上になります。 坂の上から山科が一望出来ます。 大石内蔵助はここで何を思っていたのでしょうか。 境内は、静かでした。 お参りしているのはあたしだけ。 「御用の方はお知らせ下さい」 と。 呼び鈴を押しました。 素敵な女性の方が出てこられました。 お寺に上がって説明をしていただきました。 この寺は、四十七士のお位牌と、像、大石内蔵助の遺品を置いてある唯一の寺だそうです。 お位牌の所に案内していただきました。 「あっ。」 「どうしました?」 あたしは鳥肌がたってきました。 ものすごい数の。 「あなたは感じられる方ですか?」 と女性の方はおっしゃいました。 「はい。」 「やっぱり。そういう方がいらっしゃるんですよ。 だって、本当のお位牌ですから。」 その後から、涙も溢れて止まらなくなりました。 大石内蔵助は討ち入り前に、全員の位牌を作り、この寺に永代供養をお願いしていたそうです。 上に立つものとして、連れて行く者の最後の最後まで責任を持つ。 それが400年後の現代まで脈々と続いている。 すごい事です。 遺品もたくさん置いてありました。 文机などは、思ったより小さくて以外でした。 当時の平均身長は150cm位だったそうですから、こんなものなんでしょう。 あと四十七士の木彫りの像もありました。 ここに納められています。 鍵を開けて見せていただきました。 また、鳥肌と涙。 一体一体お顔が違います。 これは討ち入り前に絵師に顔を描かせていたそうです。 像の顔はどれも笑みを浮かべていました。 痛々しいまでの決意。 清々しい心。 それがこの笑みの訳なのでしょう。 帰り際、本堂の扉を見せて下さいました。 浅野の家紋と、大石の家紋。 こんな所にまで深い結びつきがありました。 上、三枚目の真ん中の扉です。 お寺の女の方はおっしゃいました。 「今日、かんじるあなたがここにいらしたという事は、呼ばれたのではないですか。 きっとみんな喜んでいらっしゃると思います。」 あたしもそうだと思いました。 中の写真もどうぞと言ってくださったのですが、いいものを写しこんでしまいそうなので、そう言って遠慮しました。 寺を後にして髪塚へ。 その下には閑居後がありました。 大石良雄君隠棲旧址とあります。 ここで内に秘めた決意をひた隠しにして生き、毎日をどんな思いで過ごして来たのでしょうか。 時代は変わっても、変わってはいけないものがある。 心 です。 心 を忘れてしまった日本人は、今おかしくなっている。 心 は見えないけれど、感じる事は出来ます。 その感性を取り戻したいと思いました。 この寺は、訪れる人もまばらだそうです。 説明もきちんとしていただいて、とてもいい寺なのに。 大きな寺もいいでしょう。 でも、ここには真実があります。 どうか一度訪れて下さい。 本当にいい旅でした。 何回も行くと思います。 不動明王はあたしの守り神でもあるのです。 |